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    ドイツの留学生募集

    先日、本校と提携しているホーチミン郊外の高校で、留学生募集活動を行った。

    7月には卒業する高校3年生達全員に集まって頂き、日本で勉強しませんかと勧める地道な作業の一環だ。コロナ前は、1回の説明会で10名ほど申し込んでくれた。
    ただ、今回は競合相手がいた。本校が「日本は良いですよ~」と訴える前に「ドイツに来ませんか」と言うドイツ留学への誘いだ。

    内容を聴かせて頂き、愕然とした。その衝撃的で魅力的な内容に生徒達が興味津々となっていく。その内容を挙げると

    ① ベトナムでドイツ語を求められているレベルまで習得し、ドイツの専門学校(介護・宿泊・外食など)に留学すると、その3年間の学費は免除。
    ② 3年間の生活費として、毎月2500~3000ユーロを支給(バイトは不要)。*3000€=約45万円。
    ③ 卒業後就職保証3000€以上
    ④ 就労後数年後でドイツ国籍習得可能
    ⑤ これは政府間契約なので安心

    というものだ。結果、この高校では、10数名の申込があったという。本校の申込者は1名のみ。
    今、日本政府は「せっかく特定技能を作ってすぐに働け、稼げるようにしてあげたのに、なかなか申込者が増えないな」など首を傾げているようだが、原因はこれだ。校長によれば「先週の韓国留学の人気もすごかった。申込者が10数名出た」とのこと。

    日本は、マグロなどで世界で中国などに買い負けているニュースが良く出るが、留学でも同じだということだ。兎に角、けち臭い割に鼻が高い。そして、来てくれる相手に相談もなく、自国のことしか考えないから対策が中途半端。東南アジア諸国で最も留学生を輩出しているのがベトナム。

    そこで負けるということは、先の大戦に例えると、ガダルカナルでの敗北と同じだと言う事だ。人材不足から人材枯渇となり領土を守れなくなる。ドミノの如く会社や産業が倒れて行き、日本は、経済戦争での無条件降伏を余儀なくされるだろう。国を守るのは、対空ミサイルなどではない。人なのだ。戦時の島で日本人が足りない時、「日本が好きだ」と駆けつけて来た外国人青年に「外人は、要らん。出て行け」と言うだろうか。自分なら「有難う! 地獄で仏だ」と手を合わせると思うのだが。

    補足: このプログラムの「みそ」は、ベトナムで、しっかりドイツ語を学んだ子なら、この条件で受け入れますよというところ。恐らく日本語能力試験なら、N2レベル。
    そういう子は、どんな子かというと、先ずある程度、裕福な家庭の子だということ。更に学業も優秀で、意識高い系だということ。ドイツは、移民を知っている。だから
    どういう外国人が、移民として成功するかもご承知なのだ。一方、日本はどうかと言うと、「日本語など、N4でいい。単純作業で文句も言わず、期間従業員として働いて
    もらいたい。国籍付与など、まず無理だと思ってほしい」と言うスタンス。時代遅れも甚だしいとしか、思えない。そして、この日本の条件で来る子は、外国語の
    勉強などしたくない、貧困家庭で、学業もパッとしない、自己肯定感の弱い子。そういう子を国として募集すれば、どうなるか? そりゃ、問題も発生するのが当たり前。

    ドイツ留学案内の最初に書かれているキャッチコピー「 ドイツ留学プログラムで、あなたの人生を変えましょう 」。素晴らしい。技能実習や特定技能で
    人生がどのように変わるのか? むしろ暗転している子も少なくない。ちゃんとするのが日本人。それなら、日本を助けてくれる外国人青年達に対してもちゃんとやろう。